言葉あつめ

自作の詩を書いてます(*´ー`*)

薔薇の誘惑

薔薇が濡れている


あざやかに


目の前で 咲き始めるように



たくさんの蕾のなかに


一輪だけ



咲き誇る薔薇があった



幼い私はその薔薇に頬をあてて


眠るのが好きだった




ひんやりと


私を包む薔薇たち


本当に大好きだった。




私は


いつも遊んでいるお友達に聞いたそうだ



あなたのパパの背中には


どんな絵が描いてあるの


私のパパは薔薇なのよ、と。



それを聞いた父は



嬉しそうに笑った。



私は純粋に



父が大好きで



父の背中に咲き誇る薔薇が大好きで



愛していた。





今はもう薔薇には会えない


あのひんやりとした


父の背中に頬をあてて


眠ることはできない。





夏になると


父を思い出す



あのひんやりとした


薔薇に包まれて眠った夜を。